エステサロンの開業について

エステティシャンとしてサロンを開業する、初めての場合であっても、事業規模の拡大であっても、やるべきことはたくさんあります。ここでは開業のために知っておきたい知識について紹介いたします。

エステサロンとは

エステ

エステサロンとは美容やリラクゼーションを目的とした施術をしているサロンのことで、医師免許、美容師免許を持たない範囲で可能な施術を幅広く行っています。

その内容は大きく三つとされており、ボディメイク、スキンケア、リラクゼーションがエステサロンで提供されているサービスです。

ボディメイクはいわゆる痩身ですが、これはあくまで体重減少などは指しておらず、バランスのいい美しい体を目指す、というものです。

痩身用の機器を用いたり、手技を用いたりとその方法はさまざまです。

脂肪吸引などは美容外科医師の分野になりますが、痩身マッサージなどについてはエステサロンでも受けられるところがあります。

そして次にスキンケア、角質をとる、肌をみがく、脱毛などをさしています。

脱毛と聞くと医療脱毛を連想する人も多いですが、エステサロンで受けられる脱毛は毛乳頭などは破壊しない範囲のものです。

あくまで一時的な脱毛ではあるものの、継続的に通えばその効果は維持されます。

最後にリラクゼーション、いい香りのクリームやオイルを用いてのマッサージをします。

心身の緊張やコリをほぐすのを目的としていますので、音や香りに配慮しつつ施術するため、使用する化粧品やオイルへのこだわりが大切です。

フットマッサージ、全身マッサージ、ヘッドスパなどが主な内容です。

美とリラックスを提供するサービスであるエステサロンは、大手の店舗はあるものの、個人で営業しているところも増えています。

エステティシャンとして、経営者としてさまざまな能力を問われますが、人気の高い事業ともいえます。

開業形態について知る

エステサロンには大きく分けて三つの開業形態があります。

まずは自宅での開業、これは自宅の一室をサロンに改装し、そこにお客様を招いて施術を提供する営業方法です。

これのメリットは開業にかかる費用が大幅に削減できるというところにあります。

必要な設備の中には、自宅で使用しているものもあります。

それも兼用できるということで、その分費用の削減が可能です。

また、自宅ということで通勤時間もなく、自分のペースで営業したい際におすすめです。

ただし本格的な営業を目指している場合は集客効果に難があり、そして生活空間と近いというところから音や匂いの隔離に気をつけなければいけません。

非日常を味わいたい、という理由で通うお客様も多い中、徹底した隔離と内装を考えていく必要があります。

次に賃貸マンションでの開業です。

これは自宅から隔離された空間での開業となりますので、生活感のない空間でお客様に施術を提供できます。

またテナント経営に比べて開業資金を抑えられるため、あまり開業にお金をかけられない、という場合でも現実的な方法です。

隠れ家的な空間が持てる、そしてもともと水回りの設備がしっかりしているので、内装工事にかかる費用の削減が見込めます。

デメリットは内装にあまりこだわりを出せない可能性があるということと、集客が難しいため宣伝に力を入れなければ見つけてもらえないという部分です。

また、賃貸マンションの多くが住居として貸出しています。

店舗利用が認められていないところが多いため、事務所・店舗利用が可能なところを探す必要があります。

もし店舗としての利用は不可というところで開業した場合、強制退去となる可能性があるため避けたいところです。

最後にテナントでの開業、これは開業資金がもっとも高額なため、初めてサロンを経営する、という場合は少々難しい方法かもしれません。

しかしテナントということで、商業ビルの中などに店舗を構えられます。

こうしたビルでの営業は集客効果があるとされていますので、そこは他の開業形態にはないメリットです。

また、費用がかかる分、エステサロンにおいて大切な要素である、コンセプトを全面に出した内装工事ができます。

水回りなどの工事が必要になるケースがあり、その場合さらに費用は跳ね上がりますが、外観・内装とともにコンセプトにそった工事が可能です。

もし資金が厳しい場合は、コンセプトは全面に出しづらくなりますが、もともとテナントに入っているお店を間借りさせてもらうという方法もとれます。

他にも居ぬき物件を見つけることで、もともとエステサロンに必要な設備の工事が済んでいる状態のテナントを借りられます。

工事費用を節約できるため、その分開業資金を安く抑えられます。

開業資金について

エステ

開業資金は自宅、マンション、テナントの開業形態によって異なります。

一番安いのが自宅サロンで、70万円~の費用で開業可能とされています。

しかし内装工事があまり必要ない、あるいは自分でDIYをするなどの場合はもっと安く抑えられる可能性があります。

次に賃貸マンション、この形態だと資金はおよそ140万円~とされています。

賃貸契約にあたり必要な費用と、これからの家賃がかかりますが、比較的安く抑えられます。

最後にテナント、賃貸契約の資金と、内装工事の資金が高額になりがちなので、440万円~の費用が必要とされています。

居ぬき物件の利用や間借りなどで抑えられますが、一から自分でプロデュースする場合はそれなりの予算を組んでおかなければなりません。

しかしその分、こだわりをしっかり詰め込めますので、事業拡大においてテナントはひとつの通過地点、夢のひとつと言えるかもしれません。

なお、これらは大体の金額となっているため、提供する施術内容でも大きく変わります。

特に業務用機器を導入する場合はさらに開業資金は高額になるケースが多いです。

エステサロンの開業にあたり必要な資格はなく、無資格での開業に罰則はありません。

ただし、信頼性と確実な知識と技術を得るためにも、日本エステティック協会の資格を取得しておくのがおすすめです。

いずれもコースの受講、そして実務経験が必要な資格ではありますが、エステティシャンとしての技能を身につけられ、よりお客様に満足していただける施術の提供が見込めます。

また他にも、通信講座で取得でき、エステ経営に役立つ資格もあります。

そういったものの取得を検討して、ぜひ自分のサロンからこそ提供できるサービスを考えていくのをおすすめいたします。

エステサロンに欠かせない要素

エステサロンは競争が激しいため、うまく傾向を見ていき、それに対応していく必要があります。

まずはネット予約、現在ほとんどが電話予約だけではなく、ネット予約にも対応しているところが増えています。

ホームページやSNS、方法は問わないのでネットで完結できるようにしておくのは必須です。

そして次にコンセプト、エステは近年通う回数は減りつつあるものの、客単価が上がっている傾向にあります。

コンセプトを意識し、お客様の満足度を一回の施術で高めるのがリピーター化の秘訣かもしれません。

動向は移り変わるため、しっかりアンテナをはって経営していくのが重要です。

エステサロン開業についてのまとめ

エステ

エステサロンの開業を考えている場合、開業形態のことを知り、自分が出来る方法での開業を目指すのがおすすめです。

コンサルタント、内装業者にも相談すると、費用を抑えた店舗作りや経営に関するアドバイスを受けられると期待されます。